2004年度 学校授業報告|湘南・東伊豆・沖縄でのシュノーケリング・磯遊び|NPO パパラギ“海と自然の教室”

<教室を飛び出して海へ行こう!>

~N.P.Oパパラギ”海と自然の教室”の学校教育プログラム2004~

今年度も、N.P.Oパパラギ“海と自然の教室”では、小学校・中学校・大学等での授業やフィールドワークのプログラムを、数多く担当させて頂きましたので、今号では今年行った学校での活動をまとめて、ご報告させて頂きます。
実際に自然そのものに触れる活動は、若年層には特に素晴らしい体験をもたらすと、私たち N.P.Oパパラギ“海と自然の教室”スタッフは考えています。ただし、自然の中での活動は、安全管理に最大の精力を必要としますし、活動がもたらす自然環境へのインパクトにも、様々な配慮が必要です。
特に学校でのプログラムでは、事前の講座で、海岸生物やそれらを取り巻く環境への興味を広げる導入や、安全に活動する為の知識や技術を身につけるプログラムを準備し、年間90~110日間の海での活動で蓄積したノウハウと、年間2,000名もの参加者がある海での活動の実績を生かし、救命法はもちろん、リスクマネージメントに精通したスタッフが万全の体制で実施しています。
そして、本当の自然から隔離されてしまいがちな子供たちへの学校教育現場での自然学習プログラムの実施を、これからもどんどんサポートしていきたいと思っています。

<シュノーケリング教室>

私立湘南学園小学校:
N.P.Oパパラギ“海と自然の教室”の賛助会員にもなっていただいている湘南学園小学校との活動は、今年で3年目。
学校行事としては画期的なシュノーケリング教室も2年目になりました。  2004年10月6、7日の両日、湘南学園小学校4年生108名の江の島シュノーケリング教室を開催。前後数日の悪天候の合間、この2日間だけが晴天ベタ凪で最高のコンディション!!
5月末にスライドで江の島の海を紹介して以来、楽しみに待っていてくれたみんなへのご褒美かも!
元気に準備体操をし、いざ海へ。 ぷかぷか浮かぶウエットスーツで自信をつけ、「タコだー!」「しょっぱーい!」「ワニだー、アッ違うウニだー!」(違いすぎ!)などと大興奮。みんなとっても楽しんでいました。
「えーもう終わりー?」「あと30分、いや1時間!」という熱烈なアンコールの中、 楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。
当日は、担任の先生方や父母の皆さんにもヘルプ要員になっていただき、スタッフ・ボランティアと共同で安全管理に当たりました。来年は、親子での実施が出来るといいかもしれません。先生方、父母の皆さん、ありがとうございました!
(当日の模様は、朝日新聞社より来春3月創刊の子供向け科学雑誌『カガクル』でも紹介される予定です。)

「何が見つかるかな・・・?」

「ウェットスーツって浮かぶんだね!」

湘南学園小学校の皆さんから届いた感想メッセージ集。みんな海やシュノーケリングが大好きになってくれたようです



茅ヶ崎市立西浜中学校:  
2004年5月27日(木)、茅ヶ崎市立西浜中学校を訪れ、1年生77名に、地元湘南の海のスライドによる紹介授業を、総合的な学習の時間の一環として行ってきました。
西浜中学は、昨年度も1年生とスライド授業と江の島での海岸生物観察会を行っています。その時は、他にも数コースある中での抽選で、選ばれた生徒のみの参加だった為、抽選に漏れた生徒の皆さんからのブーイングがかなり強かったようです!
そこで、今年は学年全体で出来ないかと、熱烈なご依頼があり、江の島の磯での海岸生物観察会の開催も含め、実現の運びとなりました。

<報告 小池>

スライドショー前に、先生の話を聞く西浜中1年生の皆さん



鎌倉市立腰越小学校:
2004年7月1日(木)、鎌倉市立腰越小学校にて、4年生90名を対象にしたスライド授業を行いました。担当した4年生は2年前に江の島で、海岸生物観察会を行い、身近な海の面白い生き物たちを発見し大歓声を上げていた子どもたちで、これをひとつのきっかけに、担当の先生の熱心なご指導のもと地元の海や自然、そして生き物たちへの興味を育んできており、4年生になった今年は地元で水揚げされるシラスについていろいろな角度から調べるという授業を行っています。
今回私たちは、シラスが不漁なのは何が原因なのかという難しいテーマを与えられていました。
専門家でも難題と思われるテーマですが、いろいろな角度から様々な要因を調べて見る事の大切さを、生き物同士の関わり合いやリョコウバトの具体的な話など交え解説しました。
小学生には少し難しい内容も入れざるを得ませんでしたが、ほとんどの児童の皆さんが熱心に、時にはメモを取るなどして聞き入ってくれました。
1枚1枚の画像にも関心が高く、大変うれしく楽しいスライド授業となりました。地元だけあってお父さんがシラス漁の漁師さんだったり、シラスを食材として出している飲食店を経営していたりと実際にシラスに関わる人も多く、素晴らしい体験授業になっています。
質疑応答の時間があまり取れなかったのですが、授業を押して熱心に質問に来てくれた子供たちもいて、とても充実した一時でした。

<報告 村石>

熱心にメモを取る姿が印象的でした

海岸で見た生き物のスライドに、興味しんしんの腰越小4年生の皆さん



私立湘南学園小学校:
2004年5月28日(金)、私立湘南学園小学校で、2年生から4年生までの3学年を対象に、海辺の観察や、江の島の磯についてのスライド授業を行いました。
現在の5年生が、3年生の時、同じようにスライド授業、海辺の観察会を行い、4年生になった昨年度は、先生方やご父兄の皆さんのご協力でシュノーケリングを江の島で楽しむことが出来ました。
担当の先生から、1年間の1番印象に残った行事を作文にするという課題では、ほとんどの児童の皆さんが、これらの海の活動を挙げてくれたと、私たちにとっても大変うれしいお知らせがあり、本年度はさらに拡げて、3学年で活動を担当する事になりました。
実際の授業では、スタッフ顔負けの知識を持つ子がいたり、素朴な質問でハッとさせられたり、各学年の成長度合いに沿った、大変楽しいスライドプログラムになりました。これからの活動が楽しみです!

<報告 小池>

毎回楽しみにしてくれている湘南学園小学校の皆さん



横浜市立笠間小学校:
2004年10月1日(金)、横浜市立笠間小学校を訪れ、3年生90名に、海辺の観察の楽しさや、江の島の魅力あふれる生き物をたっぷり紹介するスライド授業を行なってきました。
身を乗り出すように熱心に聴いてくれた児童の皆さんの心は、すでに江の島の海辺に飛んでいるかのようで、写真が切り替わるごとに歓声、質問、知っていることなどを口々に発しながら、活発な大変楽しい時間になりました。
みんな良くいろいろな生き物のことを知っているし、好奇心も旺盛です。テレビで得た知識、本で見た知識今回のスライドで得た知識、それらを実際の現場で安全に楽しく見てもらうのが私たちの役目です。

<報告 小池>

好奇心旺盛な笠間小3年生の皆さん



<NPO論講義>

横浜国立大学 経営学部:
10月19日(火)、横浜国立大学経営学部の大教室で総合領域科の「N.P.O論」の講義を担当しました。
“物事を深く見つめる目を持って欲しい”、“当たり前の事から疑ってみよう”という大学生達へのメッセージを込めた講義内容で、約80分の授業でしたが、後半では生徒からの質問も活発に出て、終了後も演台にかけ寄り熱心に質問を続ける生徒の姿もみられました。

<報告 武本>

以下、生徒からのアンケート(約200名からの回収)の一部抜粋を掲載します。

・陸では見えないことが海では見えることがある。海の中では環境破壊の影響がよりはっきりと表れている。大切なことは目に見えない。私達は目に見えない部分を想像しなければいけないと思った。“深くみつめる目”を育てていきたい。
(経営学部 1年)

・水族館や海のリゾート地に対する視線が変わり、海洋自然の大切さを重視するようになったと感じた。既に進んでいる環境問題にもっと目を向けたい。
(経営学部 1年)

・海から見る環境破壊が陸で見るものよりはっきり見えて、しかも深刻であることがわかった。またスポーツの一種だと思っていたダイビングが、環境問題とかなり密接に関わっているのが意外だった。自分の行動やニーズが地球に悪影響を与えたりしないかを考えていきたい!(工学部 2年)

・“あたり前のことから疑ってみる”。この言葉を聞いて普段見過ごしていることがたくさんあるんじゃないか…目には映っているのに、あまり気にとめないでしまっていることだらけじゃないかと思った。「はっ」と何かに気づかされた気がした。
(経営学部 1年)

・“あたり前のことから疑り、深く見つめる目を持とう”という言葉がやはり一番印象に残りました。
今まで通り過ぎて何も思わなかったことが、思わぬチャンスを秘めているかもしれない。ということが、とても考えさせられました。
今まで、自分が見てきた視点、視線、考えは保ちつつ、それとは別に少しでも違う観点から物事を見て、また新しい発見をして、今の自分の意見と比べたり、合わせたりして、幅を持たせたり、良くしていきたい。毎回深く感心させられる、とても良い授業だと思います。
(経営学部 1年)

220名の聴講生に対し、パワーポイントでスライドを 投影しながら進めました

水中シーンやイルカの写真には、どよめきが…!

 

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パパラギ”海と自然の教室”
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