相模湾の鯨類調査

相模湾の鯨類調査

 

NPOパパラギ”海と自然の教室”では、相模湾(主に江ノ島周辺海域)での帆船による海棲哺乳類(鯨・イルカ等)の調査観察などを行っています。

【5/25(水)江ノ島沖でハナゴンドウの群れと遭遇しました。】 2005年5月25日

ハシボソミズナギドリの観察に出ていたところ、午後3時ごろ、江ノ島沖約6海里(約10km)沖合いでなんと40頭前後と思われるハナゴンドウの群れと遭遇。
約2時間ほど観察できました。

それはそれは圧巻で、オスと思われる固体はおそらく5m前後はあり、ブリーチング(背面から落ちるジャンプ)や、テールフラップ(尾びれで水面を叩く)シーンは圧巻!!
そして私達のすぐ目の前でのブロー(潮を吹く行動)は実に迫力がありました。

前回、観察した際のグループは70頭前後がまとまったグループででしたが、今回は2頭~7,8頭の小グループが広い範囲で距離を保ち、グループを形成しておりました。

観察中、はっと気がつくと船の周りがクジラだらけという事もあり、何度か船のすぐ前を潜ってよぎった事もありました。

スタッフ一同、至福の時を過ごしました。

(報告 武本 匡弘)

▲ブリーチングの瞬間、すごい迫力でした!

 

▲ブローの音も”プシュー”と良く聞こえました。

▲イルカより背びれは高く、一見シャチにも見える?



【葉山沖で野生のイルカ!!】2005年2月11日

2/10(木)の朝ぐらいから、葉山新港沖約100~300m沖合あたりの海域で2頭のイルカが観察されています。

NPO パパラギ”海と自然の教室”のスタッフとボランティアスタッフの皆さんとが、10日(木)の午後と11日(金)の早朝とで計7時間の洋上観察を行いました。
ビデオ映像や写真、そして直接観察した様子では、おそらくそれらの姿から「マイルカ」ではないか?  と思われます。
体長は1頭が2m前後、もう1頭は2mに満たないくらいのようです。
親子なのか? カップルなのかはわかりません。

さて、私達はこのような情報があれば、できるだけ多くの人達にお知らせするということを行っております。
しかし、人それぞれ色々な考えがあり、こういう出来事は
「できるだけそっとしておこう」
という意見も少なくありません。
しかし、私達はこういう出来事をチャンスと考え、あえてお知らせするという手段をとっています。

そのチャンスとは?

・ひとつは、 こんな身近な海にもイルカをはじめとする海の哺乳類達がいるということに気づき、海にもっと関心を持つチャンス。

・ふたつめは、野生生物と接したり、観察する際の手段やマナーを学ぶチャンス。

・そして、自然の仕組みやその生物のことを深く知りたいと思うことへのチャンスです。

確かに、ゴマヒゲアザラシの○○ちゃんブームのようにあまり加熱しすぎることで発生する問題もあるかもしれません。

しかし、こういう出来事(時には滑稽な話にもなってしまいますが)を通して人々は多くのことに気づくのではないでしょうか?

例えば、イルカウォッチングの場合でもハワイではイルカを追いまわすような行動や、云わゆる「50ヤード(約49m)規則」を著しく守らなかった場合には、条例により千ドル単位での罰金や禁固刑などで罰せられるほどの厳しさがあり、野生生物への接し方や観察ルールが確立されています。
(残念ながら、現地の保護グループや監視官から警告を受ける対象で一番多いのが日本人観光客だという現地の人からの笑えない話もあります……。)

地球上に住む人間以外のほとんどの生物達がその生息域を脅かされている状況の中で、彼らを観察する側の私達の行動には細心の注意と制約が必要なのは当然です。
そういったことにも気づいてくれる人達が1人でも増えてくれることを願ってやみません。

何はともあれ、まずは身近な海でイルカやクジラをはじめとする多くの野生生物を観ることができることを、率直に喜びたいと思います。
そして、そのことを通して、もっと海や自然を大切にしたいという気持ちを確認しあうことが出来ればもっと素晴らしい経験になるのではないでしょうか?

(文責:武本 匡弘)

 

観察方法

(1) 陸上から

(2) 船の場合、約100mほど離れた水面でエンジンを停止し、観察。(追わない、こちらから近寄らない、200mm~300mmレンズで撮影できる距離を維持)

最初はバンドウイルカと思いましたが、良く見ると違うようで、次にカマイルカではないか? とも思いました。このラインの特徴や、背びれの形、そして顔の特徴からマイルカだろうということになりました。遠景に葉山の海岸が見えます。

この姿だとまったく識別がしづらく、少々バンドウより背びれがとがっているかな? というぐらいです。遠景には逗子の自動車道路とホットドッグ屋さんが見えます。

マイルカだろうということが決定的になった写真で、特に吻(くちばし)の形状からほぼ断定に至りました。お腹の白さが目立ちます。
そして、マイルカの特徴である、「背中側が黒く、腹側が白く、その中間の前側に黄色、後ろ側にねずみ色の紋様」が確認されました。 これはジャンプする瞬間で、連続のジャンプシーンが観られました。

2/14(月)今日も元気でした!
捕食シーンもたくさんみられました。(300mmレンズ使用。距離60~70mより撮影)

(撮影 武本 匡弘)



【江ノ島沖でハナゴンドウに遭遇!!】2004年2月25日

 毎年春になると、鎌倉の海の沖合、相模湾周辺にクジラ達がやってくるのではないか? と思うようになり、今年も25日水曜日の日にN.P.Oパパラギ”海と自然の教室”の調査船、”エンデバー”号で今年第1回目の調査に出ました!

その結果、見事に「ビンゴー!」。
3頭の「ハナゴンドウ」達に遭遇することができました。

時間は午後2時ごろ。場所は江ノ島の沖合1kmぐらいのところでしたので、ほとんど”江ノ島のすぐ裏”と言ってもいいぐらいの近さ。3頭のハナゴンドウ達はゆっくりと優雅に、時々「プシュー!」という音を出しながら波の間を泳いでおりました。

水面に出たヒレだけを見ると、イルカと間違えてしまいますが、ハナゴンドウの特徴はクチバシが無く、何しろずんぐりとした体型です。
頭が大きく、ずん胴ですので、あきらかに一般的なイルカの顔立ちとは違います。そして、口の線がゆるやかに上向きである為、いつも”微笑んで”いるように見えるのです。

残念ながら、午後から強くなってきた風と波のために、白波が目立つ海面では見つけにくくなり、この日はおよそ10分ほどの観察で見失ってしまいましたが、約5時間にもお及ぶクルージングの、たった10分であっても、とても充実し、喜びに満ちあふれた時間だったと思っています。

昨年は、忘れもしない4月13日に、約70頭ほどの群れと3時間もの間、一緒に過ごす事ができ、とても感動的な時間を過ごす事ができたのですが、今年もそんな幸運に恵まれれば、と思います。



【江ノ島沖で、ハナゴンドウの群れに遭遇】 2003年4月13日

 4月13日(日)午後2時40分頃、江ノ島沖で赤潮の調査をしていたN.P.Oパパラギ”海と自然の教室”の調査帆船”エンデバー号”が、ハナゴンドウの群れに遭遇しました!!  この群れは、おそらく70頭前後の群れだと思われ、それはそれは圧巻の一言でした。

群れはゆっくりと2ノット位の速さで佐島方向に向かい、葉山一色海岸沖約3海里程の所で、Uターン。その時ゆっくりと後を追って観察していた”エンデバー号”の周りはハナゴンドウ達に囲まれ「プシューッ」という噴気の音に包まれました。

水面上で跳躍したり、スパイホッピングをしたり、水中で逆立ちをして水面から突き出した尾ビレで水面をたたく(ロブテイリング)等の行動を目の前で観察する事が出来、とにかく船上のN,P,Oスタッフ達は、感動の嵐に包まれました。
もちろん私自身もこんなに多くのハナゴンドウの群れに遭遇したのは、初めての事でした。

この群れはしばらく江ノ島沖と葉山沖の間を行ったり来たりしていましたが、5時40分頃葉山沖から南南西方向の沖に向かって去って行きました。
その姿を見届け、約3時間に渡っての撮影や観察は終了しました。

これだから”海はやめられません!!”
こんなに素晴らしい経験を身近な海でする事が出来、とても幸福な一日を過ごす事が出来ました。

※ ハナゴンドウは、ハクジラ亜目マイルカ科に属し、3m前後で性成熟、最大では4mになる個体もいます。 今回の群れは、3m前後の個体が多く、中には親子と思われるペアも何組か観察する事が出来ました。 最初は、バンドウイルカの群れではないか…?と思い近寄って行ったのですが、大きさと姿が、明らかに違いとても驚きました。

(文責:武本)



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